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★日本に生息するクワ・カブ
 
 現在、日本には約30種類のクワガタ虫が確認されており、地域や標高などで住み分けをしているようです。まあ30種類といっても、明らかに形態のことなるものから、一般の人にはほとんど区別がつかないものまで様々です。一方、カブト虫はというと4種類程度しか確認されておらず、よく見かけるあのカブト虫以外はあまり知られていません。

※別ページのクワ・カブギャラリーをご参照ください。

下の画像は日本産のヒラタクワガタです。一見同じに見えますが、実は全て別亜種なんです。アゴの形状や体の模様などが微妙に異なるんです。違いが分かるでしょうか?

★クワ・カブの生態

1.クワ・カブが住んでいるのは雑木林!

 クワ・カブは、北海道から沖縄県まで全国の山林に生息しています。ただし、北海道のカブト虫に関しては人が持ち込んだものだと言われています。では、実際にどんな所にいるのかというと、本州や四国、九州では落葉広葉樹林(クヌギ、コナラ、ブナなどを中心とした雑木林)、南西諸島や小笠原諸島では照葉樹林(シイ・カシ類を中心とした常緑広葉樹林)に住んでいるんです。地域や種類によって少しずつ違いがあるようです。

2.クワ・カブは夜行性!

 クワ・カブはほとんどの種類が夜行性です。昼間は樹洞や土の中に潜んで寝ています。そして日没とともに起き上がってエサを求めて飛んで行くんです。なお、種類によっては昼間でも活動するものもあるようです。ミヤマクワガタなんかがその1つなんですが、昼間に樹上でウロウロ歩いているところを運が良ければ目撃できます。(ミヤマクワガタも基本的には夜行性です。)

3.クワ・カブは樹液が主食!

 クワ・カブの成虫の主な食料は樹液です。樹液の主成分はブドウ糖で、それはクワ・カブの生命維持に不可欠なものなんです。しかし、人工飼育において十分な量の樹液を入手するのは不可能です。それで一般的には、市販の昆虫ぜりーやバナナ、リンゴなどが使用されています。なお、一部に肉食性の種類もあり、それらは他の昆虫の幼虫などを食しています。

スイカはアカンよ!
子供の頃に与えていた人も多いと思いますが、スイカはやめた方がいいですよ。水分が多く、昆虫でもゲリになって早死にしてしまいますから。キュウリやナスビは論外です。コオロギやないんやから。糖質がほとんど無いですから栄養失調になってしまいます。

C幼虫は朽木や腐葉土を食べて大きくなる!

 クワガタ虫は朽木の中に産卵し、幼虫はその朽木を食べて育ちます。そして、朽木の中で蛹になり(朽木から出て槌の中で蛹になる種類もいる)成虫になります。カブト虫の場合は腐葉土の中に産卵し、幼虫もその中で大きくなります。朽木とは、広葉樹の枝や幹がキノコ菌によって分解され白色になったものです。単純に枯れた(死滅した)木とはちょっと違うんです。腐葉土は、広葉樹の葉や木屑がバクテリアによって分解されてできた土のことです。もちろん産卵場所も幼虫のエサがある所ということになります。

左:オオクワガタの幼虫、右:国産カブトの幼虫

★クワ・カブの特徴

 ほとんどの昆虫は硬い外骨格で覆われていて、その外観は多種多様です。中でも特にクワ・カブの精悍なスタイルは見る人を圧倒しますよね。

 カブト虫は見た目の通り、頭に大きなツノ(頭角)が1本と、胸部に短いツノ(胸角)が1本あり、敵と遭遇した時などは絶大な威力を発揮します。一方、クワガタ虫のアレはツノではなく、アゴが発達したものなんです。この辺を間違って認識されている人が結構いますね。この大アゴで挟まれる(咬まれる)と泣くほど痛いので気を付けましょう。

<各部位の名称> 左:くわがた虫、右:かぶと虫(クリックして拡大できます。)

キズは治らない!
クワ・カブの体は、一度損傷すると元通りに治ることはありません。足が折れたりすると二度と生えてこないんです。しかし、足や角が折れても弱ることはありますが、それが致命傷にはなりません。ただし、傷口から体液が出てしまうと高い確率で死に至ります。

幼虫の特徴
 クワガタ虫の幼虫と、カブト虫の幼虫は肛門の形状で見分けることができます。クワガタ虫は肛門が縦に割れており、カブト虫は横に割れています。また、カナブンやハナムグリの幼虫も横に割れていますが、カブト虫の幼虫との違いは歩き方にあります。カブト虫の幼虫は腹ばいで歩くのに対し、カナブンなどは仰向けで体をポンプのように動かして移動するんです。(ただし、東南アジアのアトラスオオカブトなどは、カナブンと同じように仰向けで移動します。)

★クワ・カブの一生

1.クワ・カブは変態を繰り返して成虫になる.

 クワ・カブを含め甲虫類は卵から孵化すると脱皮を繰り返しながら成虫になります。そして、クワ・カブはその過程で、幼虫→サナギ→成虫と形態を変化(完全変態)させる昆虫です。逆にカマキリなどは、幼虫から成虫になるまで形態をほとんど変化させません(無変態)。

<クワ・カブが卵から成虫になるまでの流れ>

 

成虫はこれ以上大きくならない!
クワ・カブは成虫になってしまうと脱皮をしないのでそれ以上大きくはなりません。つまり小さな成虫は小さいまま、大きな成虫もそれ以上に大きくはならないということです。同じ種類でも大きさに違いがあるのは、幼虫時にどれだけ大きく育つことができるかどうかによります。

2.幼虫で過ごす期間は様々

 クワ・カブが幼虫期を過ごす期間は種類や性別により様々です。国産カブトの場合は性別に関係なく10ヶ月程度ですが、クワガタ虫や外産カブト虫に関しては、種類や性別で随分と違いがあります。また、同じ種類でも、環境の違いで1年以内に成虫になったり、2年間も幼虫で過ごしたりします。ただし、人工飼育下ではほとんどの種類が1年で成虫になってくれます。また、基本的にオスのほうがメスよりも幼虫期間が長くなります。

幼虫には外敵がたくさんいる。
野外で生活する幼虫には様々な外敵が存在します。寄生バチやコメツキムシの幼虫は、他の昆虫の幼虫を食べる最も危険な存在です。特にコメツキムシの幼虫はブリードにおいても警戒が必要で、飼育用品(産卵木やマット)に紛れていることがあり多大な被害をもたらします。その他、野外では鳥類やモグラ、タヌキなどもやっかいな存在です。

成虫の寿命

 クワガタ虫・カブト虫の成虫は多くの方が知っている通り、初夏に野外活動を開始し、秋口になればほとんどの個体が死んでしまうので、めっきり姿を見せなくなってしまいます。(※沖縄などの温暖地域はちょっと異なります。)でも実は、お目にかかれないだけで、樹洞や土の中で眠ってたりする種類もいるんです。オオクワガタやヒラタクワガタ、コクワガタの成虫が越冬することはよく知られていますよね。ただし、翌年の夏に再び野外活動ができるのはごく一部の個体だけなんです。冬の寒さに耐え切れず、ほとんどの個体が越冬中に死んでしまうんです。残念ながら…

 最も長生きするのはオオクワガタで人工飼育下では5年生きた例もあります。逆に短命なのはルリクワガタやオニクワガタといった種類で、約1ヶ月程度しか生きることはできません。野外では3ヶ月程度しか生きれないカブト虫も、人工飼育下において半年も生きている例は少なくありません。これは野外と比べて栄養状態が極めて良いことなどが影響しています。また、エアコンや園芸用の温室などで温度管理すれば年中クワ・カブの活動を観察することができます。

左:ノコギリクワガタ(人工飼育下では1年近く生きる。)、右:ヘラクレスオオカブト(人工飼育下での寿命は8ヶ月程度で国産のものより少し長め。)

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